[海][今月の野菜と魚たち]
わたりがに 渡蟹
Swimming crab
十脚目ワタリガニ科ガザミ属
体長 15cm~25cm
学名 Portunus trituberculatus
特徴 一番後ろの足が板にようになっているのが特徴で、これを使って泳ぐことができます。そこから「渡りかに」という名前がついたとのこと。
旨みがたっぷりのかに汁
水温の高い時は成長のため脱皮をするので、甲羅が柔らかく、身もあまり詰まっていないヤワラと呼ばれるものが多くなります。水温が下がり甲羅が硬くなり、身の詰まる晩秋から春が旬といわれます。特にメスは冬から春にかけては甲羅の中に内子が詰まり、絶品です。旨みたっぷりで、かに汁にしたらダシがよく出て、美味です。
旨味の主成分は、グリシンという甘味の強いアミノ酸と、ベタインという甘味のある旨味成分。一般にメスよりオスの方が旨く、エキス分が10倍も多いといわれます。
国産は貴重に
もともとは庶民の食べ物で戦前、戦後において品川から大森にいたる東京湾沿いにワタリガニを食べさせてくれる料理屋が沢山あり、今のようにタラバガニやズワイガニが食卓を賑わすようになったのは最近のことといわれます。
現在、東京湾、三河湾、瀬戸内海、有明海と名物にする地域はありますが、中でも有明海が有名。
ただ、年ごとに市場に流通する多くが輸入物に変わってきています。
11月26日(土)の横須賀佐島の朝市ではオス100円メス200円で売られ、あっという間に売りきれていました。
作ってみました「かに汁」
左右半分に切り、水からいれて煮ます。甲羅の中のアスタキサンチンがアスタシンに変化し、表側(甲羅)は鮮やかな紅色に、裏側は真っ白なります。