はばのり 幅海苔
藻綱カヤモノリ目カヤモノリ科セイヨウハバノリ属
学名 Petalonia binghamiae
秋に岩や磯などに着床し、晩秋に発芽、冬から春にかけて生育し、長さ15~25cm、幅1.5~5cmくらいの緑色を帯びた黄褐色から赤褐色のへら型の海藻になります。
横須賀ではこの時期、わかめ漁が始まる2月ごろまで収穫されます。
お正月の縁起物 ~幅広く商売繁盛!~
千葉房総の内外房地域では「一年中、幅をきかせられるように」と縁起物とされています。ゆっくりあぶって緑色になったら手でもんで、熱い雑煮に削り節とともにかけます。この地域の漁家では「はば雑煮」がないと正月が迎えられないといわれるそうです。
横須賀でもお正月のころに店頭に並びます。やはり「幅広く商売繁盛!」と縁起物といわれます。水温が下がると海苔の成長がよくなるので、この厳しい寒さの中、長さ20cm、幅2cmほどに育ったものを岩場から摘んできます。
貴重な手仕事です
はばのり漁は冬の大潮の時期が最盛期。この時期は潮が干いていく時間が夜です。足場の危険な暗い磯での漁になります。冷たい海水の中、素手で1つ1つ摘みます。
摘んできたものは真水で洗い、簀のこに広げていきます。これも小さな石を取り除きながらの繊細な水仕事です。2時間で50枚くらい、規定の四角い形にしていきます。
そのあと風通しのよいところで干します。上下に簀のこをかぶせないと干している間に縮んでしまいます。天気にも寄りますが、1~3日ほど干します。
石などを取り除かないもの、簀のこを上下に挟まず、縮んでいるものなども売られています。また、あぶってあるものもありますが、特徴といわれる磯の香りを楽しむにはあぶってないものがお勧めです。
今回、取材をさせていただいた浦島さんの「はばのり」は自信を持って推薦できます。商品に名前が載っていますので、贈り物で買い求めるときなどは参考にされてください。