ナス
Eggplant
学名 solanum melongena
イタリア語 melanzana
スペイン語 berejena
原産地 インド東部
旬 6月~9月
地域色豊かな野菜
日本では古くから栽培され、小型や丸形など地域によって姿の違う品種が栽培されています。伝統的に東日本は長卵形、関西以西は長なすの生産量が多い。
成分の90%以上が水分で、ビタミンやミネラルは少ないものの、皮に含まれる紫色のアントシアニンの色素「ナスニン」は赤ワインに含まれるのと同じポリフェノールの一種。動脈硬化や高血圧を予防するといわれます。また身体の熱を冷まし、水分代謝を促して胃を元気にするとされ、夏の身体に嬉しい野菜です。
新品種「サラダ紫」
神奈川県の特産に!生食向きのなす
平成15年から神奈川県は株式会社サカタのタネと共同で、生で食べられるアクの少ないナスの開発に取り組み、平成21年3月「サラダ紫」は品種登録されました。泉州の伝統野菜「水なす」から生まれた「サラダ紫」は、他のナスより多くの水分量を含み、ジューシーで皮が薄い上、実がさくさく。加えて糖度も高く、甘みがつよいのが特徴です。
【詳細は→http://www.agri-kanagawa.jp/nosoken/tokkyohinshu/nasu.htm】
横須賀市の生産量が1番
県内で1番熱心に「サラダ紫」に取り組んでいるのが横須賀市。林の永野農園でも、今年から栽培がスタートしました。最盛期を迎えた7月初旬、畑にはどっしりとした大きな卵形のナスがたくさん実っていました。
農園の永野茂樹さんは「去年、生食用のナスがあるっていうのを知ってね。生でなんか食べられるのか、と思ったけど、これが美味しくってね、作りたくなったってわけ。」と話します。
風の向きが重要
ナスの葉は茂りすぎると、風通しが悪くなり、日光も遮って実の色が悪くなってしまいます。特に葉が大きく育つこの品種は、目を離さずに、小まめな手入れが必要です。それにナスの実は枝や葉にあたると傷になりやすいもの。「だから、横風を受けないこの畑がいちばん。」永野さんの畑は、風の向きに沿ってまっすぐ植えられています。高台に位置し、風がほどよく抜けるよい立地にありました。
また「サラダ紫」は、育つ間も多めに水が必要。「その分、全部実が吸っているのかな。生のナスに抵抗感のある人こそ、ぜひ一度試してもらいたい」。
「サラダ紫」の美味しさに惚れこんだ永野さん、おすすめの食べ方は「薄く切って、ドレッシングをかけて食べること」と教わりました。
●作ってみました!
サラダ紫のカルパッチョ
サラダ紫を縦半分に切ってから薄切りにし、オリーブオイルと塩をふる。醤油や、ドレッシングなどお好みでどうぞ。
●取り扱い 冷蔵庫には入れません
暑い期間に育つナスは、低温が苦手。冷蔵保存すると、種が黒っぽく変色してします。ラップなどで密閉してから新聞紙に包み、低温から守りましょう。
生で食べる時は実を切ったら水にさらすことで、変色を防いでアク抜きにもなります。また、加熱の際は高温で調理することでエグ味を感じず、皮の色も鮮やかに仕上がります。